ヴザレニア・スポーツ・パーク・コンペ

エノタ

エノタはスロヴェニアの首都、リュウブリャナをベースに活躍する建築家グループ。 2007年頃「ウェルネス・ホテル・ソテリア」で、ミース・ファン・デル・ローエ賞のショートリストにノミネートされて話題になった建築グループである。 今回は同国のヴザレニアに予定された「ヴザレニア・スポーツ・パーク」という、巨大なスポーツ施設のコンペを勝ち取った。
スポーツ・パークの敷地は、都市公園ときれいな湖との間という重要な場所に位置している。 スカルスコ湖エリアはすでに市民にとって人気のレクリエーション・スポットであり、広々とした緑地帯と背後の美しい丘と相まって、稀に見るきれいな風景を演出している。 そのためエノタは、出来る限り町の人々や他のビジターがアクセスしやすいように、パークをオープンで均一なサーフェスのデザインでまとめた。
今回のスポーツ・パークは、数多くのスポーツ施設が集合しているのが特徴だ。そのすべてをエノタがデザインするのだから、内容的には非常にリッチで大変な作業になる。 まず陸上競技などをするメイン・スタジアム(屋根付き)、サッカー・スタジアム(屋根付き)、屋根無しのサッカー場が2個、バスケット・コート、ゴルフ・コース、インドア・スポーツ・ホールと盛り沢山だ。 エノタはふたつの大きなスタジアムを南北軸にそって、湖の南側に縦形に並行配置した。 周知のようにスタジアムは普通楕円形プランであり、ここでは両側の長辺部分に客席と屋根を設け、カーブのきつい短辺側は客席をやめて開放している。 このため北側方向では湖面が直ぐ近くに見えると言う素晴らしさ。 ふたつのスタジアムは、素晴らし眺望をエンジョイしながら、スポーツを観賞できるというわけである。
さらにエノタのデザイン力が発揮されているのがランドスケープだ。 特にふたつのスタジアムと、すぐその南側に位置するスポーツ・ホールは、アプローチがスロープ形式で起伏を繰り返しながら、3つの施設のエントランス、フィールド、 屋根などを連続的につなぐシークエンスが秀逸だ。 試合がない時、市民は練習やトレーニングのために、そのまま直接フィールドに入れるのだ。 その動線配置とランドスケープの達者なこと。これは有機的に繋がれた各施設が散在するスポーツ・シティといえそうだ。